風と繋がる場所

身体の中で風を司る場所は胸です。

風の元素の質は広がる、拡散だと言われます。

新鮮な空気を胸いっぱいに吸おうとすると、胸郭は広がっていきますよね。

呼吸をする事が大切だと良く言われますが、酸素を取り入れて二酸化炭素を排出するという生命維持活動だけでなく、風の持つ生きる力プラーナを巡らせるというのも大切なんです。


アシヤナの施設では5つのヨガシャラがありますが、多くのシャラに壁はありません。

特に朝のクラスは一番最初にプラナヤマ(呼吸法)から始めるので、壁がなく風の通り抜ける場所を選んでいます。せっかくなら動かず澱んだ空気ではなく、自由に動き回る新鮮な空気を身体に贈ってあげたいものです。自然の中で呼吸をしていると、風が運んでくる様々な香りや温度にも気づきがあります。身体の中に風が流れる瞬間に生きている!という実感が湧きます。


アナンダロークもインドで珍しく空気が美味しい!と感じるところ。修行者の街リシケシと言えども、排気ガスや埃などの澱んだ匂いが気になる事が多いのですが、秘境とも言えるこの地は別格で、思わず深呼吸したくなる環境です。施設周辺は車両の立ち入りは出来ないので、最寄りの車道まで車で移動したら、そこからは不便ですが橋を渡り坂道を上り・・・という足頼みの世界。文明の力は最小限ですが、だからこそ美味しい空気、美しい景色が保たれている貴重な場所なのだと思います。


風の代名詞は呼吸ですが、風が本来持つ最大の質は『愛』です。

自分の身体に新鮮なプラーナを贈り続けるというのは、愛情を贈るという事です。

自分のためだけの時間と空間があり、自分の好きなことを学べるというのは、かけがえのない事なのです。私がヨガを通じて教えているのは『バクティ(愛と献身)』です。その為に風つ繋がる事を大切にしています。


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